プラチナとホワイトゴールドはどちらも宝飾品によく利用され、色もよく似ているので混同されやすい貴金属です。
しかし色が似ているといっても別の金属なので、当然、物質自体が持つ特性や相場には違いがあります。
貴金属売買の際に取り違えることのないよう、それぞれの違いをきちんと理解しておきましょう。
目次
どちらも上品な白い輝きをもつ金属で、婚約指輪や結婚指輪の素材として根強い人気を誇っている、プラチナとホワイトゴールド。両者の違いを理解する際に両金属はとても見間違いやすいということを、念頭に置いておく必要があります。
ところで、皆さんは「白金」という言葉がプラチナとホワイトゴールドのどちらを指すかご存知でしょうか?「白い金」なのだからホワイトゴールドと思ってしまいがちなのですが、「白金」は正しくはプラチナのことを指します。
このように、言葉の上でも混同しやすいプラチナとホワイトゴールドですが、両者には大きな違いがあります。それぞれの基礎知識を解説した上でその違いをご紹介したいと思います。
プラチナは金と並んで貴重な貴金属の1つで、装飾品として利用されるだけでなく化学的に安定しているという特性から、工業分野や医療分野でも活用されています。「王水」でしか溶かせないという性質は金と同様です。しかし、プラチナはこれまで掘り出された量が6,000トンほどしかなく、金の約1/30にとどまる採掘量で大変貴重な金属といえます。
プラチナ自体の相場としては最近は1グラムあたり3,000円台後半で推移しています。2008年度に付けた1グラムあたり7,000円台からはかなり下落しています。
それでは、ホワイトゴールドというのはどのような貴金属なのでしょうか?プラチナがPtという元素記号を持つ単体物質なのに対して、ホワイトゴールドというのは金(Au)に銀やパラジウム(Pd)を割金(わりがね)にした合金に銀白色のロジウム(Rh)をコーティングしたものです。
ここに、プラチナとホワイトゴールドの大きな違いがあります。プラチナはいつまでも変色することがないのに対して、ホワイトゴールドの装飾品は長く使い続けているうちにコーティングのロジウムが剥がれてきて色味が変わってきます。なお、ロジウムで再びコーティングすれば元の色に戻すことは可能です。
結婚指輪や婚約指輪のように特別な装飾品の場合、ホワイトゴールドよりプラチナの人気が高いようです。一方、ホワイトゴールドの装飾品は普段遣いなど、気軽に楽しめるファッションアイテムとして愛されています。どちらが装飾品として優れているとは、一概に言うことはできません。
日本国内でも昭和50年代まではプラチナの代用品という扱いだったホワイトゴールドも、カラーゴールドの流行に伴い普及が進みました。
一時はホワイトゴールドに割金されるパラジウムの割合が不十分な事から黄色味が強く残ってしまうといった問題点もありましたが、社団法人日本ジュエリー協会がホワイトゴールドの色相を定めたため、現在では品質も安定しています。
いかがでしたでしょうか?今回は、プラチナと混同されやすいホワイトゴールドについて解説しました。プラチナとホワイトゴールドは見た目こそ似ていますが、金属としての性質や価格には違いがあります。装飾品の買取を手がける上で、この二つの貴金属は区別しておきたいところです。