2017.12.21
金買取

「金」が良いって言われてるのはなぜ?理由を分かりやすく解説!

金は装飾用や工業用といった実用的な価値と、採掘の難しさや埋蔵量が限られている希少性から古代より貴金属として評価を受けてきました。

 
近代以降では市場で相場が形成される投資商品としても投資家の注目を集めてきましたが、実は金取引を始めるなら今が良いタイミングというのはご存じでしょうか?

時代は「金」?その理由って?

今の「金」の相場がスゴイ!

金はその実用性や希少性に裏付けられた投資商品として、堅実な成長を見込める=相場が長期的に上昇していくと見られています。
実際、2000年代以降のチャートでは上下動を繰り返しながらも2017年現在に至るまで好調な推移を見せています。
 
その要因は様々ですが、大別すると「有事の金買い」と「機関投資家の大口投資」の2つに分けられます。
まずは有事の金買いですが2000年以降だけでもアルカイダやイスラム国のテロ、北朝鮮問題などの軍事的危機、リーマンショックやギリシャ経済危機、イギリスのEU離脱問題といった経済危機など数多くの有事が起こり、その多くの場面で金価格は上昇しました。
現在でも北朝鮮問題は根深くいつ何が起こるか分からない状況です。

機関投資家と金相場の関係って?

実は、機関投資家の金投資も一連の上昇に一役買っています。
機関投資家とは生命保険会社や信託銀行、年金基金といった個人から拠出された資金を運用する法人投資家のことです。
2000年代に入りそれらの機関投資家が金投資比率を上げたのですが、彼らは比較的長期的な視野で投資するため一度買うと5年や10年保有し続けることがザラです。その結果、金がどんどん買われる一方で売られないという状況が続きました。
 
最近では中国を筆頭とした後進国の台頭と米国の影響力低下に伴い各国が保有する米ドルを売って金を買う動きが加速しています。
特に中国はここ数年で金準備高が4倍になりました。今後もその流れは継続すると見られているので金価格を下支える要因になるでしょう。
 
では、金は投資商品としてノーリスクに近いのかというとそうではありません。
東京取引所で金が扱われるようになった1982年以来、金は一度1グラムあたり4,000円前後という値を付けながらも1998年には800円台まで値を下げてしまいました。
この大幅な下落には様々な要素が絡んでいるとされています。

金のリスクって何があるの?

例えば、1980年代後半から90年代前半までのバブル経済です。
2017年は日経平均株価が22年ぶりに22,000円台を回復したことからバブルの再来ではないかという声もありましたが、バブル経済の最盛期には日経平均株価が38,957円にまでなり、当然ながら今でもこの数字は破られていません。
 
一方、この時期に金相場は値下がりしています。これは、過熱する土地取引や株取引に投資マネーが集中し、投資家の関心が金から離れたためともいわれています。
金相場が下落した実例として頭に入れておく必要があるでしょう。
 
このように、かつて大幅な下落を見せた金相場も2017年現在では1グラムあたり4,000円以上を維持するなど端的に言って「スゴイ」状況にあります。この状況に至るまでには様々な背景があるのですが、一般的には世界情勢の悪化や自国通貨の危機があると安全な金を買いたいという需要が高まり金相場も上昇します。
 
これが、いま金取引を勧められる理由の一つです。

プラチナより金がいいの?

プラチナと金の違いとは

同じ貴金属取引の仲間としてプラチナがあります。
プラチナも金と同様、装飾用の他に工業用として需要があるなど似通った性質を持つといえるでしょう。
では、金とプラチナを比較したときに投資対象として有望なのはどちらなのでしょうか?
 
まず、金とプラチナの最大の違いはお金(=money)としての価値があるか否かです。
どちらも宝飾品や工業用材料などモノとして高い価値がありますが、金はそれに加えてお金としての価値も有します。
実際昔は通貨として流通していましたし、今でもその価値は世界共通で世界中のどこに行っても換金が可能です。
仮に国の危機で自国通貨が紙屑になってしまいそうな時があっても、保有する資産を普遍的な価値を持つ金に変えておけば資産を失わない訳です。
前述した「有事の金買い」の背景にはこの様な理由があるのです。
このように、安全な資産という認識それ自体が投資対象としてのメリットと言えるでしょう。
 
では、お金としての価値を有するか否かは価格にどう影響するのでしょうか?

価値と価格の関係って?

モノの価値は一般的に需給バランスで決まります。貴金属も同様で需要過多になれば価格は上昇しますし、供給過多になれば下落します。
プラチナは金以上に希少性が高いので、かつては1グラムあたりの単価が金よりも高い状況が続いていました。
しかし、1年ほど前に金とプラチナの価格は逆転してしまったのです。
プラチナ需要の50%は自動車触媒が占めるのですが、技術改良による省金化(車1台当りに使用されるプラチナ量が減っている)やハイブリッド車を含む電気自動車の普及により自動車触媒需要がどんどん減っていることがその背景にあります。
 
一方、金も同様に需給バランスは価格変動要因の一つに挙げられますが、それ以上にお金としての価値の方が価格に与える影響が大きいので供給過多になっても価格下落は限定的です。
 
また、金とプラチナを比較した時に、プラチナは相場が不安定になりやすいというデメリットがあります。
というのも、供給の約7割を政治的に不安定な南アフリカに委ねているために政変や紛争が起こればプラチナの相場が乱高下することがあるのです。
 
貴金属取引を投機的に行い大幅な利益を目指すならともかく、安定的な資産運用を目指すのであればプラチナより金のほうが手堅いというのも一つの見方としては知っておきたいところです。

 

「金」の相場はどうやって決まる?

景気が「金」に影響を与える!

さて、ここまで金の相場が上昇傾向にあることや、プラチナと比較しても安定的な投資対象であることを解説しました。
 
ただし、既に紹介したようにバブル期前後に価格を大きく下落させたことや、他にも様々な要因が金の相場を大きく左右することがあるのも事実です。
ここでは、景気が金の相場に影響を与えるという点を「為替」の面からも解説していきます。
 
金の取引市場は東京やニューヨーク、ロンドンや香港など主要なものだけでも世界にいくつも存在します。
それぞれの市場で金の相場には違いがあるのですが、連動はしています。
というのも、金相場は金の実体価格以外にも、為替相場の影響を受けるからです。
 
日本よりも先行して金取引が行われるニューヨークの金相場をもとに東京取引所での金相場も決まってくるのですが、ドル建て金価格を円に換算して円建て金価格を算出するために為替の影響を受けます。
 
現在の日本はアベノミクス経済のもと円安進行が続いていることから、ドルを円に直したときに円建て金価格も上昇することになります。
つまり、近年金相場が好調な背景には日本の景気も関係しているということです。
裏を返すと、円安から円高へと反転していけば円建て金価格が下落する可能性も否定はできません。

もし今「金」の売買を始めたら?

消費税が上がる前の今!

さて、金取引を始めるなら今が良いタイミングという二つ目の理由を最後に解説します。
これは世界情勢や為替の変動に関係なく、日本で金取引を行う人なら誰にでも関係することなのでぜひ知っておきたいポイントです。
 
2017年4月に予定されていた消費増税が2019年10月にいよいよ施行されるというニュースは皆さんも覚えがあるのではないでしょうか。
実は、8%から10%へ消費税がアップすることは金取引にも関係がある話なのです。
 
というのも、金を売買するときの代金は「金価格×重量×消費税」で求められるのですが、消費税がアップする前に買った金でも、
消費増税後に売却すれば増えた2%分だけ多く代金を受け取ることができるのです。
つまり、金相場が一定であれば増税後に売るだけで2%利益が出ることになります。
 
堅実な資産運用を目指す金取引にあって増税分の2%を自動的に多く受け取れるというのは大きな魅力です。
今後、実際に増税される2019年10月にかけてはこの2%の利益を期待して金の需要が膨らみ、金相場自体が上昇する可能性もあります。
金の売買を始めるなら、消費税が上がる前の今というのもお分かりいただけたのではないでしょうか?
 

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、金取引を始めるなら今が良いという点を解説しました。
早めの金取引を勧める理由は2点です。
 
一つは、2000年以降の金相場上昇が現在も続いていて、今後も上昇が見込まれるのではないかという点と、もう一つは消費増税にともない売却した代金が増税の2%分だけ多く受け取れることと、それに伴う金需要の増加から金相場自体が上昇する可能性があるという点です。
 
金相場を上下させる要因には様々なものがありますが、消費増税のようにほぼ確実に影響を与えるとみられる要因を見つけるのは容易ではありません。
それも、相場を上昇させる可能性の高い要因となれば、貴重な機会と言って良いでしょう。
「今、金がスゴイ」という話をなんとなく耳にしていて興味を持っていたという方も、その具体的概要を把握していただけたのではないでしょうか。